2015.4.16

水野大二郎研究室 成果報告会「デザインをめぐる問い」

Keio University Faculty of Environment and Information Studies
Daijiro Mizuno Laboratory
Exhibition: Design Inquiry 

慶應義塾大学環境情報学部・水野大二郎研究室は、めまぐるしく科学技術が変化するなかで、あくまでも人間を中心に据えたデザインの研究を行っています。
使い捨てではなく、資源の維持可能性を問うデザイン。
見過ごされてきたが、よくできたモノの価値を問うデザイン。
遠い未来を推論し、人間とモノと社会の関係を問うデザイン。
本展覧会ではこれら3種類の、デザインからの問いかけを通して生み出された研究をご紹介いたします。
どうぞご高覧ください。
切迫するさまざまな社会的課題に対して、デザインはなにをなしえるでしょうか?
またデザインによって、人間の社会はどのように変化するのでしょうか?


開催概要

会期:2015年4月25日(土) – 4月26日(日)
時間:11:00 – 19:00
場所:世田谷ものづくり学校IIDギャラリー
主催:慶應義塾大学環境情報学部・水野大二郎研究室


作品情報

瀬川辰馬「陶葬」
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本研究は、焼成という陶芸の技法を通じて、現代社会の廃棄物が内包する〈工芸的なマテリアル〉としての潜在価値を実践的に探求するものである。任意の提供者から譲り受けた、壊れてしまった日用品を高温にて酸化・微粉砕し、それを釉薬の着色剤として再利用する陶磁器作品の制作を通して、工学的な指標とは異なるかたちでのカルチュラルなマテリアル・サステナビリティを社会にプロトタイプすることを目的とする。

村尾雄太「Design for Extreme Storage」
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「誰が」「何故」「どのように」「何の」情報を未来に遺すのかという問いから生まれた、レーザーカッターの最高解像度1200dpiに応じたグリッドを用いて設計されたタイプフェイス(書体)デザイン。
レーザーカッターを用いて一般の人の視力で判別可能な限度を追求した結果、デジタルデータに比べて遥かに情報容量は少ないが、物質媒体としての耐久性に優れた石や鉄など「長期保存」できる素材に誰でも彫刻可能なレーザーカッターの利用を前提にしてつくられた。

太田知也「WIRED2035 – A Possible Future Issue」
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本研究は、近年のデザインリサーチにおけるクリティカル・デザインという領域・手法において「フィクション」が方法論的に用いられているという事実に着目しつつ、それが推論的に未来の社会を展望しうる「研究」としての意義を持つ可能性を実践的に検証していく。具体的には、アメリカ発の『WIRED』という雑誌媒体をひとつのフィクションとして制作し「2035年のありうる未来」を想像する。極めて身近な雑誌というメディアを転用することで、それを含む2035年の技術環境を想起させるようなデザイン・フィクションのプロジェクトである。

川崎和也「Grow Your Own Fabrics」
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本研究は、自分の衣服を自分で育てる未来の持続可能な衣生活についての推論を通して、生物と共に生成するマテリアルの可能性を実践的に追及するものである。具体的には、微生物を用いたバイオセルロース繊維の開発と、変形菌の原形質流動による柄の生成を試みる。今回は、リベラルな市民が自らの日常生活において最新の生物実験を実現する「バイオ・ハッキング」というアクティビズムに着目し、DIYによって可能な合成生物学の実験過程を展示する。

洋裁2.0 – Dressmaking2.0
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新たな工作機械の普及やそれに伴う「ふつうの人々」による洋裁の勃興によって「買う、着る、捨てる」ではなく「つくり直す、伝える、売る」という新しい道を模索することができるのではないだろうか。本研究では大量生産・消費による使い捨てを前提としたファッションのあり方を更新すべく、コンビニの「のぼり」などの「都市の幸」を材料としながら資源の維持可能性を問いなおすファッションデザインを実践する。本展覧会ではその成果物を展示する。

ありふれたデザイン – Design for the Mundane World
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Design for the Mundane Worldとは、凡庸で、ありふれているがゆえにその価値が見過ごされたモノによって構成された「ありふれた世界」を問う試みである。人工環境にあるすべてのモノはデザインされている。それらのつくられ方や使われ方を分析することで、デザインの本質的な価値を見いだすことが出来るのではないだろうか。意匠的な美しさだけを追求した刹那的な表現がデザインではない。デザインを構成する要素は、芸術、技術、経済、社会など、様々な視点から論じることができるだろう。

 

洋裁2.0関連ワークショップ「のぼり旗から毛糸を紡ぐ」

関連イベントとして、ファッションデザインに関するワークショップを開催します。
本企画はのぼり旗から毛糸を紡ぎ、ブレスレットを制作するワークショップです。のぼり旗はコンビニを始めとする街中の店舗で季節商品の宣伝に使われるため、早いサイクルで廃棄されています。このような既存の「都市の幸」を材料として捉え直し、デザインへの応用を目指します。具体的には、のぼり旗をほぐして綿状にする反毛作業を経て、その綿から紡錘機を使って毛糸を紡いでいきます。最終的には自作の毛糸を用いてブレスレットを制作するところまでを体験することができます。会期中は常時開催しておりますので、たくさんの方のご参加をお待ちしております。

 

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