2012.10.15

2012年前半の各研究室の活動報告

















筧康明研究室

筧康明研究室は、「実世界情報環境デザイン」というキーワードを掲げ、実世界への情報重畳メディアの創出、素材特性を活かしたインタラクティブメディアデザインなどをテーマに研究を進めています。今年度は、博士2年が1名、修士2年が3名、修士1年が1名、学部4年が5名、3年が4名、2年が6名所属していて、8月2日には春期の研究最終発表が行われました。デザインエンジニアの畑中元秀さんとMozilla Japanの赤塚大典さんをゲストに迎えて行った発表会では、学生の発表に対して、かなり具体的な質問がなされ白熱しました。

〈筧先生による春期最終発表会講評〉

「発表会はあえて公開するかたちをとっています。また、ゲストを呼ぶことで普段の指導とは違う意見がもらえる機会にもなっています。これは、同じ分野の研究者が集まる学会発表では得られない貴重なものです。実機のデモンストレーションも行いますが、人に伝えるために資料にまとめて発表することが大切だと考え、全員分のプレゼン時間を設けています。学生に対して気になるのは、プレゼンの際の言葉を適切に選んでほしいということ。自分の大好きなものを『プレゼント』するわけですから、投げやりな言い方や、『◯◯かもしれないですね』などの曖昧な言い方はやめましょう。また、デバイス、メディアをつくる場合は、コンテンツまで具体的に想定するところまで詰めて研究を進めてほしいと思います」

田中浩也研究室

田中浩也研究室には現在、学部2年生から博士過程の学生まで、全18人が所属しています。7月17日、ポスターセッション形式で最終発表会が行われました。水野大二郎先生や他研究室の学生たちも多数見学に訪れ、質問や議論が教室中を飛び交いました。
田中研究室の活動は一年サイクルで行われ、新入生たちは春学期と呼ばれる最初の半年間、工作機械の使用方法を学ぶことから始めます。レーザーカッターや3Dプリンタなど、研究会での作品制作に不可欠な機械で、毎週各自が思い思いのものを作り、機械での工作に慣れる一方で「自分が好きなものを自分でつくる」ということを実践します。研究会に所属したばかりの学生は、まだ自身が何に興味をもっているかに気づいていないことが多いと田中先生は言います。そのため所属したばかりの学生には「とにかく何かつくる」ということを大事にさせ、自分が「好きなもの」とは何なのかをものづくりを通じて探してもらっています。

〈田中先生による最終発表会の講評〉
「展示の約半分は研究の前段階として作成された作品が、そして残りは学部4年生の卒業制作や大学院生による、より広い視野で行われている研究の進捗成果が展示されています。工作機械の使用方法を学ぶなかで生まれた作品たちは、まだまだ質やコンセプトを掘り下げる必要があるでしょう。しかし、何も課題が与えられず、自由に作品をつくること自体が貴重な経験だと思います。好きなものを自分で作るというのは基本ですから、各自がまず何に興味を持っているのかを自問自答し、ものづくりを通じて学んで欲しいです。いずれ各自の卒業研究などにつながるきっかけとなればいいですね」

水野大二郎研究室

水野大二郎研究室は「批評的にデザインする」というコンセプトを掲げて、今年4月に新たに設置されました。第一期生は学部2〜4年生までの12人。半期の授業を終えた7月24日、春学期最終発表会が行われました。発表形式は、ポスター展示と個人ごとのプレゼンテーション。ポスターはレイアウトを統一し、プレゼンテーション資料はバイリンガル表記を必須としました。
春学期の研究は、リサーチメインの個人プロジェクトで進められました。テーマは「我々は腹を立てなくてはならない」という村上春樹のスピーチのことばです。そこから、各個人がどのようなことに腹を立て、問題を定義付けるかを、リサーチメソッドを学びながら大きな概念に掘り下げていきました。

〈水野先生による最終発表会の講評〉
「なぜデザインするか」を決めないで、「どうやってデザインするか」を決めることはできません。そのため、今期は一人ひとりの学生に読むべき本を指示し、方法論を教えた上で議論しながら、「自分のプロジェクトは自分で最後まで責任を持ってやれ」と伝えてきました。発表時のポスターのレイアウトを統一したことにも、意味があります。ポスターをデザインするということはアイデアを編集する行為ですが、同時にそれらは人々が見る成果物でもあるので、当然美しくなければならない。そのため僕がテンプレートを作成し、フォントを指定して、illustratorの使い方を教えながら作成してもらいました。春学期の授業を終えて感じる課題は、みんなすこし「実装力」が足りない、ということです。コンピュータの使い方や紙の切り方などは、プロジェクトを進めながら足腰を鍛える感覚で、覚えていくしかないと思います。

山中デザイン研究室

プロダクトデザイナーの山中俊治先生が率いる「山中デザイン研究室」には、学部2年生から博士課程3年生まで合計30人が所属しています。一人ひとり、あるいはチームを組んで、日々、観察と実験を繰り返しながら、デザイナーとしての思考法を学んでいます。春期の研究最終発表では、企業とコラボレーションした大掛かりなプロジェクトから、手作り感あふれるユニークなロボットまで、さまざまな作品が並びました。

〈山中先生による発表会講評〉

「全体として、5年をかけて目指してきた『アイデアがあったらとりあえずつくってみる』という状況は確実に進んできていると感じました。学生全員が、手を動かしてよくつくるようになった。そういったものづくりの雰囲気がこの研究室に出てきたのはいいことだと思います。一方で、構想がないままにつくり続けてしまうパターンもときどき見受けられますね。もう少しゴールを明確にして、つくってみたものを検証してから、またつくる・動かすなどしてみると、さらに良くなると思います」

 

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